主な症状別の対処法

経過観察

嘔吐をしたとき

嘔吐の原因はさまざまで多岐にわたります。基本的には嘔吐後の様子が元気でいつもどおりであれば急いで受診する必要がない場合が多いです。
しかしながら、意識が悪い場合などは緊急で受診する必要がありますので、注意深くお子さんの様子を観察してください。
また、嘔吐物が肺に入っていかないように、寝ている場合にはあおむけではなく、横向きで寝かせるように注意してください。

【ホームケアの要点】

  • 嘔吐したあとすぐには飲ませないようにしてください。気持ち悪い状態ですのですぐ飲ませてしまうとまた嘔吐してしまいます。30分~1時間程度時間をあけてから、少しずつ水分を与えるようにしてください。最初はペットボトルの蓋に入るくらいの量を、頻回に与えてください。
  • 水分を中心に与えてください。糖分や電解質が含まれているスポーツドリンクのようなものが望ましいです。しかしながら、好きなものしかのまないという場合があると思いますので、糖分が含まれているのであればある程度なんでもいいと思います。
    「飲まないよりは飲めるものがいいです!!」
    ただし、真水やお茶だけ与えることは避けてください。糖分・塩分がある程度含まれているものが理想です。
  • 食事を食べることができそうであれば、加熱調理されたものを与えるようにしてください。いつもよりも胃腸の調子が悪いため、少しずつ与えるようにしてください。
  • 家庭内の感染予防はとても大事ですので、排泄物の処理をしたあとはきちんと手洗い・アルコール消毒を行いましょう。

【観察ポイントと受診のタイミング】

嘔吐後にいつもどおりの様子であれば緊急で受診する必要はありません。また受診する場合には実際の嘔吐物の様子がわかるといいので、携帯電話などの写真で記録したものを持っていただけるとよいです。

以下のような症状に注意しましょう。

  • ぐったりして反応が悪い
  • 顔色や唇の色が悪い
  • 繰り返して吐いてしまう。
  • 吐いたものが「血液混じり」、「緑色調」、「コーヒーの様な黒色調」であった場合
  • 尿が半日でていない
  • 好きなものに興味を示さない
  • 腹痛が強い

救急外来に受診相談、救急車の要請を検討してください。

嘔吐や下痢の症状があるときにはご家族もとても心配になり、ネットなどで調べて対応していただく方も多いと思います。その中で、市販の経口補水液などを薦められ、一生懸命飲ませていただくのですが、こどもたちが飲めないこともしばしば経験されます。
「ホームケアの要点」でも触れさせていただいたとおり、「飲まないよりは飲めるものがいい!!」ですので、あまりこだわらずいつも飲んでいる好きなものを少しずつ与えていただけることも大事です。
ただし、糖分はとても大事ですので、水やお茶のみにならないように薄いジュースなどでもかまいませんので与えるようにしてください。