主な症状別の対処法

救急外来受診

熱中症が疑われるとき

高温多湿な環境に長時間いることで、体温調節機能がうまく働かなくなり、体内に熱がこもった状態、またそれによりからだに様々な影響が出や状態を熱中症と言います。
屋外だけでなく室内で何もしていないときでも発症し、 救急搬送が必要になったり、場合によっては死亡することもあります。
子どもは体温調節機能が未熟であり、環境温の影響を受けやすく、熱中症になりやすいとされています。
初夏から夏にかけてが最も熱中症になりやすい時期です。
また、気温がそこまで高くなくても、車内や屋内などの閉鎖環境では熱中症になる可能性があるので注意が必要です。

【ホームケアの要点】

めまいや頭痛がある場合は、軽い熱中症の可能性があります。
衣服を緩め、涼しいところで休ませてあげましょう。
塩分、糖分が含まれたイオン飲料などをこまめに飲ませてあげましょう。
だるさが強かったり、意識が朦朧とするなどの症状がみられる場合には重症の熱中症かもしれません。重症の熱中症では、体を冷やすやめに重要である汗をかくことが出来なくなっていますので、イオン飲料を与えるのみでなく、空調の効いた部屋に移動して、濡れたタオルでふくなど積極的に体を冷やすことを心がけましょう。同時に救急搬送や救急外来受診の準備をしましょう。

【観察ポイントと受診のタイミング】

  • 1) ぐったりしていて反応がない
  • 2) 痙攣している
  • 3) 体温が38℃以上で汗をかかない

救急要請して救急受診

  • 1) 乳児
  • 2) 水分が摂れない
  • 3) 涼しい環境を準備できない
  • 4) 水分を摂り涼しい環境で様子を見ても症状が改善しない

救急外来に受診相談

「発熱」と「高体温」の違い

風邪などの感染症の際に体温が上がるのが「発熱」で、ウイルスなどの侵入者を排除するための防衛反応です。このような場合は、自分で体温の設定温度を上げているイメージになりますので、自己調整の範囲内であり体温が高くても熱により自分の脳や臓器が重大なダメージを受けることは基本的にはありません。一方、熱中症などでみられる「高体温」は、外部からの高温の影響などで強制的に体温が上がった状態を指します。このような場合には、臓器も高体温に対応できず重大なダメージを負う可能性があります。
見かけは同じ体温上昇でも、自己調整しているかどうかでその影響は大きく異なると言えます。
解熱薬は、「発熱」の際の設定温度を下げることは出来ますが、「高体温」にはほぼ無力です。
逆に物理的な冷却は「高体温」には有効ですが、自分から設定温度を上げている「発熱」にはあまり有効ではありません。